立山黒部アルペンルートは雪の大谷や雷鳥との出会い、絶景が楽しめるロープウェイなど普段見られない自然が楽しめる観光名所です。
しかし、「山道で歩くのが大変かな」「どんな準備をすればいいんだろう?」と興味はあるけど心配が勝り、まだ行ったことがないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、実際に家族と観光をしてきた経験をもとに、歩んできたルートに沿って注意点・事前に知っておきたいことを織り交ぜながら、魅力をお届けします。
読み終えるころには「次の旅行の時に行ってみたい!」そう思えるような記事になっています。
快適で楽しい観光の参考に、ぜひご活用ください。
こんな人におすすめ!立山黒部アルペンルートの魅力とは
立山黒部アルペンルートとは



立山黒部アルペンルートとは、立山駅(富山県)と扇沢(長野県)を結ぶ山岳観光ルートです。
4月中旬から開始し11月の閉山まで、春夏秋それぞれで異なる楽しみ方ができます。
特に有名なのは4月中旬から開通する、雪を掘り作られた「雪の壁」。
豪雪地帯のため、自然に積もった雪で作られる最高20メートルにもなる雪の谷は圧巻です。
2024年では82万人もの観光客が訪れています。
黒部アルペンルートの見どころをご紹介。

黒部ダム:高さ186メートルの日本一高いアーチ式ダムです。6月下旬から10月中旬にはダムからの放水があり、水流で発生するミストと光が織りなす虹が人気。

立山ロープウェイ:ロープウェイの途中に支柱がなくパノラマ眺望を楽しめる「ワンスパン方式」が用いられています。ワンスパン方式のロープウェイは日本に2か所しかなく、国内では最長の1.7kmで7分間、窓からの景色が堪能できます。

雪の大谷:自然の雪を削り出して作られる雪の壁。壁の高さは最大20メートル前後であり、雪の壁の間を歩く圧倒的スケールを体感できます。
開催時期は4月中旬から6月ごろです。

弥陀ヶ原:高原の湿原にある池や沼の「池塘」が約3000個もみられ、多様な高山植物が生息しています。湿原をめぐる遊歩道が整備され、散策には最適です。

美女平:樹齢300年超の巨木が並ぶ神秘的な森、雄大な自然の力を感じることができます。
立山杉やブナの原生林が広がります。
3つの散策コースがあり約1時間から2時間30分まで、それぞれに合ったコースを選べます。

みくりが池:約1万年前に形成された火山湖である。エメラルドブルーのとても美しい水面には山が鏡のように映しだされます。
こんな人におすすめ!
- 「雪の壁を写真に撮りたい」「高山植物、野鳥の観察がしたい」と感じるような自然が好きな人
- 四季の変化を楽しみたい人
- 歩くのが得意な人
黒部アルペンルートは「大自然」と向き合う観光地です。自然に触れあって癒されたい人には最適な場所です。
また、ダム、高原、森とそれぞれの場所で楽しめるコースが作られているので、散歩や運動が好きな方にも向いています。
一人旅、友人同士、家族連れなど、どんなスタイルの旅にもおすすめです。
一方、向いていない人の特徴は以下のとおりです。
- 自然に興味がない人
- 膝や足腰に不安がある人
都会の快適さを求める人には山岳地帯独特の自然空間は物足りない可能性があります。
また、山の中のため、道の勾配や階段が多くエレベーターやエスカレーターは基本ありません。
ベビーカーや車いすでの移動は厳しいでしょう。
ある程度、しっかり歩く体力が必要です。
コース紹介
長野県側の出発点「扇沢駅」から旅が始まりました。
平日だったので駐車場は空いていましたが、休日はかなり混んでいるため公式ホームページから「駐車場の混雑状況」を確認していくことをおすすめします。
無料駐車場
第一駐車場(170台)、第二駐車場(60台)
有料駐車場
扇沢有料駐車場(350台) 12時間:1000円
扇沢から出発

正面が「きっぷ売り場」です。ここでチケットを購入したらバスに乗って黒部ダムへ向かいます。
シーズン中は混雑するため、チケットは事前購入できる「WEBきっぷ」がおすすめです。
WEBきっぷを購入すると、QRコードが届くため、当日は売り場の受け取り機にQRコードをかざしてチケットを発見します。
「当日券」もあり、ホームページで販売状況も更新されていますが、チケットが完売してしまうこともあるので確実に手に入れておきましょう。
チケットを購入したら階段をのぼり2階階へ。そこに電気バスの乗り場とお土産コーナーがあります。
扇沢発のバスは乗車時間がきまっているため、混雑時は行列が長くなることも。
時間に余裕をもって到着するのがベストです。
チケット料金(※2025年5月現在)
立山駅ー扇沢
・片道 おとな 10940円 こども 5480円
・往復 おとな 19680円 こども 9840円
立山駅ー室堂
・往復 おとな 7380円 こども 3690円
扇沢ー室堂
・往復 おとな 12300円 こども 6150円
チケットは各乗り物それぞれではなく、事前に行きたい場所までを計画し、そこまでの料金をまとめて支払います。途中で予定よりも先まで進みたくなった場合は、各駅で追加のチケットを購入してください。
より細かい料金については公式ホームページの「のりもの」「運賃」の欄から検索して調べられるようになっています。
黒部ダム到着

写真は2025年5月上旬のものです。
電気バスに乗り(16分)、黒部ダムへ到着です。
車内では通ってきた、トンネルに関するエピソードが流れていて、より理解が深まりました。
展望台や遊歩道があり景色を楽しめます。レストハウスがあり、人気の「黒部ダムカレー」が食べられます。ご飯とカレーのルーでダムを再現している遊び心のあるカレーです。山の上の食事だと味が気になるところですが、ルーのコクがしっかりあっておいしいです。
私は甘口カレーを食べました。辛いのが苦手な人や子供も食べられるよう配慮されています。

黒部ダムレストハウス前の広場から外階段を下っていくと放水観覧ステージと「新展望広場特設会場」があります。黒部ダムの放水はおよそ6月中旬から10月頃に行っているので、放水を見たい場合は期間と時刻を確認しておきましょう。

「新展望広場特性会場」は黒部ダム建設の歴史が展示してありました。一番奥には映像コーナーがあり、当時の過酷な作業や建設のハプニングなどが迫力ある映像が盛り込まれていて、黒部ダムに行ったからには、ぜひ見ておきたい場所です。
次のケーブルカー乗り場までは、黒部ダムから15分ほど歩きます。
ケーブルカーの時刻表は電気バスを降りた場所に掲示しているので、ケーブルカーの時刻を確認してから移動時間を織り込んで黒部ダム観光を楽しみましょう。
私たちは15分も歩くとは知らず、乗りたかったケーブルカーには間に合いませんでした。
ただし、ケーブルカーも含めて、この先の乗り物は時間の指定はなく、駅に行けば乗れるため安心してください。
目的地、室堂へ
ケーブルカー(5分)、ロープウェイ(7分)、電気バス(10分)と乗り継いでついに「雪の大谷」がみられる「室堂」へ到着です。
電気バス乗車中の立山トンネル内で立山の頂上の直下を通過します。


2025年5月上旬では、一面雪景色です。この日は晴れていましたが、2050㎜地点らしく気温はかなり寒かったです。まわりの観光客の人もダウンジャケットを着こんでいました。
駅を出ると一面が雪景色でキラキラとまぶしいほどでした。
5月の春とは思えず、季節がひとつ戻ったように思えます。

室堂についてから雪の大谷の歩き始めはから、迫りくるような雪の壁でした。
しかし、事前に調べていた壁の高さ「16メートル」には達していなかったため、「あれ?」と思いながら歩いていくと、だんだんと雪の壁は高くなり、奥の方に最高地点がありました。
最高地点では見上げると首が痛くなるほど。
歩行者はロープから右側を歩き、左側はバスが通れるように区切られています。
春にはミニサイズの雪の大谷である「雪の回廊」や展示館である「立山自然保護センター」も楽しめるようです。
おすすめの持ち物・ポイントまとめ
「WEBチケット」を活用しよう
公式ホームページから事前購入が木偶、当日券売り切れのリスクを回避できます。
「室堂」からの最終便に注意しよう
ロープ―ウェイやケーブルカーなど一度に乗れる人数には制限があります。特にゴールデンウイークのような繁忙期は要注意です。混んでいると乗れるまでに時間がかかるため、想定よりも遅い時間になってしまうことがあります。
込み具合に関しては現地でしかわからないこともあるため、帰りの時間はかなり余裕をもって行動しましょう。
「寒さ対策」
山は想像以上に寒いです。室堂など標高約2,450mでは平地よりも12〜15℃低くなることもあります。特に5月ごろの春は山の上はまだまだ冬の気温です。公式ホームページに気温が表示されているため、事前にチェックして体温調節できる服装を用意していきましょう。
持っていると便利なもの
山の上は平地よりも標高が高く、紫外線が強いです。
・サングラス
・日焼け止め
この2つがあると安心です。とくに雪が残っている時期は雪の照り返しがまぶしいためサングラスをかけると目を守れます。
また、山では電波が届きにくく、スマートフォンのバッテリーが消費されやすいです。途中で充電できる場所もありますが、モバイルバッテリーを持っていくと安心です。
・公式ホームページがとても親切
公式ホームページは様々な機能が組み込まれていて、とても便利です。
自分ホームページを見ると大抵のことが解決できるようになっていました。
公式ホームページな便利機能は以下のとおりです。
- WEBチケット購入
- 駐車場の混雑状況
- 当日の天気
- 当日券の販売状況
- イベント開催状況
- 行く場所を指定した「運賃検索」
- 散策マップのダウンロード
- よくある質問 :「ATMの場所は?」「観光時間はどれくらいをみればいいですか」など、細かな質問対してもわかりやすく回答がついています。
疑問に思うことがあれば、一度公式ホームページを確認することをおすすめします。
まとめ
- 「WEBきっぷ」で当日券の完売を回避
- 帰りの交通は余裕をもってプランを立てて
- 高地での寒暖差や紫外線対策を万全に
- サングラス・日焼け止め・モバイルバッテリーは必携アイテム
このように準備すれば、立山黒部アルペンルートは大自然と乗り物を満喫できる最高の旅先です。
思い出に残る素敵な旅にしてくださいね。
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